今、どこの工場でも生産数量が減少してコロナ前の通常生産に回復できていない状況だと思う。大まかな流れは下記のフローだと思われる。(推測)
急激な受注数量減少→安全在庫生産→残業規制→給料減少→作業員離職 →受注回復→人手不足
昨日、勤務先退勤後、工業区内を散歩中下記のような光景を見ることができた。
一般に考えれば、不景気で生産数量激減、工場生産要員は不足していないはずだが、人材募集をしている人たちが大勢いる。
日本ではコロナの影響で自宅待機、解雇などをニュースで報道しているが、中国では人手不足が発生している。
中国で人材、人手不足が言われるようになったのは今に始めったことではない、確か、2012年頃より人が集まらない状況が発生している。なぜだろうか?大きな中国のことだから、いろいろな理由があると思う。↓
人が集まらない原因 | 可能性 |
若年労働者の減少 | ○ |
安い給料では働きたくない | ○ |
大学卒業者増加、工場作業者の仕事はしたくない。(面子) | ◎ |
内陸部での工場建設。沿海部の工場で働く必要がない。 | ○ |
一人っ子政策にともない、親が子供を沿海部に行かせたくない。 | ○ |
若年者はわざわざ、きつい環境の沿海部の仕事を選ばない。地元が一番 | ◎ |
2000年までは1000万人ぐらいだが、2016年時点で8000万人、約8倍。
急激に増加したのは日本のバブル時代と同じで、地方自治体が多くの箱物大学を建設したのと似ているのかもしれない。しかし、中国の大学卒業者数の増加率はかなりすごい。
私は学歴で人を差別したりすることは嫌いです。個人的な感想だが、中国はそれがなおさら強く根強く残っているように思います。このあたりはすごく保守的。私の周りの中国人で大学卒業していなくても優秀な人間はたくさんいる。
大学を卒業してしまうと、製造企業では現場の泥臭い仕事の確認などをしない傾向があるように思う。大学卒業者は自分で問題点を確認せずに、部下に命じて調査をさせる。その部下がちゃんと確認してくれればいいのだが、第三者が理解できない報告が上がってくる場合がある。これでは客先問題発生時に客先報告しても話が通じ合わない。=>客先との間で変な不信感が生まれてしまう。
3現主義という言葉は中国の管理職の人たちも知っている。PDCAなどもかっこよく言っている。しかし、実際に意味を理解して実行するかについては疑問が残る。
結論:人は余っているが、現場仕事をする作業員が不足している。
私の知人でマレーシア華僑の人がいるが、人手不足のため、自動化機械製造会社は非常に稼働率が高く、忙しいらしい。
現場の人がやっていた仕事を自動機、ロボットなどで自動化できればいいのだが、もともと中国に移転してきた日本の業界は日本で自動化できない労働集約型の業種が多いと思う。そのため、一部は自動化できるだろうか、全てはできないと考える。
こういってしまえば元も子もないが、結局最後は人に頼ることになる。最後は人。