今の中国の方針。レストランでの浪費・食べ残しはダメ。Current Chinese policy. No waste or leftovers at restaurants.

最近、中国で食料の浪費、節約をしようという運動がある。8月11日に発表されたようだ。

 中国人の宴会の席で、これでもかというほど、料理が出てきて驚くことがよくある。私が2000年頃初めて中国に来たときは大きな円卓に料理が沢山出てくる割には、全部食べられないで残されないということに違和感を覚えた。同時に中国は結構豊かな国だなという感触を受けた。

 私は両親の実家は農家であり、私は子供の頃から、お米は手間暇をかけて、やっと作られるものであることを教わってきたし、少しでもご飯を残したりするとよく両親、祖父母から怒られたので、出されたものはすべて食べるということが原則となっている。

 しかし、中国に来てみるととにかく食事を残す光景をよく見かけたので、不思議であった。学生時代に読んだ本の中で「ワイルド・スワン」という本があり、そのときに中国は食糧不足であると思っていました。当時、たしか、18歳のときに中国のことを初めて理解することになった本です。そのときに自分がまさか中国にくるとは思ってもいませんでした。

 しかし、実際に中国に来てみると食糧不足どころか、もしかして、一部の人達は日本よりも豊かであると感じました。2000年当時の物価水準からすると日本の一万円があれば、中国で毎日外食しても暮らせる水準だったと思います。今では見かけることがなくなった、簡易的な定食。快餐(ご飯、おかず、スープ)どこのレストランにもあり、よくこの快餐を頼んでいた。

 今の中国で食料がなくて、餓死するという話を聞いたことはない。しかし、つい40年、50年前には実際に餓死する人がいたという話を聞いている。当時のことを知っている人たちも沢山いるだろうか、外国人に当時のことを語るひとはかなり少ない。しかし、日本人という身分を特別言わないで、農村などに行くと当時のことを少し話してくれる人たちがいる。

 なぜ、レストランで食べきれないほど、料理を注文するのか?

①相手に対する面子がある。料理が少ないとケチだと思われるのが嫌。

②自分がそれだけ、料理を注文できる経済力があることを相手に見せるため。

③中国の長い歴史の中で、こういう習慣が一般的となってきた。

④客が全部食べてしまうと、招待する人は相手がまだ食べれるのだと思い、また料理を注文してしまうので、客の方が気を使って残す。

私は上記のような理由を今まで聞いている。今の中国はGDPも世界2位となったので、明らかに20年前よりは豊かになっているし、それを実感できると思う。

豊かになったので、外国から穀物などを輸入できる。米やとうもろこしなど中国で100%生産できなくなっている。それは、安い作物を生産してもお金にならないので、生産品目を変更しているからということも考えられる。下記は日本農林水産省の資料から抜粋したものである。

日本の市場に中国産の農産物などが入ってきているが、お米、トウモロコシなどは中国はすでに輸入していることがわかります。輸入額は2010年頃より増加傾向。

今2020年8月になって、中国政府が食料の浪費節約運動を始めているのか?それも国家総書記が強調しているのか? 日本の安倍首相はレストランでの浪費・節約についてコメントしているか?

私の推測

中国は今年、洪水等の災害があり、来年の穀物供給が国内だけでは追いつかないので、今になって浪費節約をしなければならない状況になっている。米国との貿易摩擦で海外からの穀物に関税をかけているので、海外からの穀物輸入買い入れ価格が上昇して打撃を受けている。今となっては食料自給率をUPして海外に頼らないようにしたい。

現在8月16日現在のお米の市場価格は 3.72元(500gあたり)です。来年の今頃、本当に供給が少なくなっているようであれば、需要と供給の関係により市場価格がUPしていると思います。本当にそうなるかどうかについては来年わかります。本当に上昇すると確信する方は先にお米を購入するのも有りかと思います。(参考:価格ドットコム調査 日本米価格 10.6元(500gあたり)日本の米はまだまだ高いが、すでに中国米の3倍以内の価格。

 世界で初めて、米の先物取引市場が大阪堂島にできたらしいが、中国ではそういう市場はないのでしょうか?社会主義の統制経済ではそういうことはできない?

 余談になりますが、中国ではマスク製造ラインプラントが非常に多くあまっているらしい。ほんのつい最近までマスクが慢性的に不足、価格が高騰していましたが、すでに供給が需要を上回っているので、値崩れ起こしているのでしょう。こういう分野は国が介入してすすめるよりも民間企業・市場経済にお任せして価格調整するほうが受給のミスマッチが発生しないのだと思います。