
中国で貿易会社をしている友人からの情報ではマスク工場からマスクを仕入れて、日本に販売するという話を聞いた。
販売先は日本北海道の貿易会社。
彼の会社だけではなく、中国の多くの会社が日本へのマスク販売に商機を見出して、動いているのである。日本国内のことはわからないが、中国人は本当に皆商売人といってもいいかもしれない。
↓下記は中国人友人が北海道の会社へ送付したマスクのお見積り。



中国人友人に聞取り調査したところ、平時は@0.5元で購入できるらしい。現在、需要と供給の関係で@1.5~4元で中国国内で販売されている。中国人友人は@1.5元で仕入れている。
中国マスク工場 | 中国貿易会社 | 日本貿易会社 | 日本消費者 |
工場出し@1.5元 | 仕入れ@1.5元 | 仕入れ@2.5 | ?元 |
製造・流通過程で利益が加算されていくので、日本の消費者の手に入る時には工場出し価格の2倍~3倍になっている。
中国の友人からの情報ではマスク工場には多くのバイヤーが集まって現金をカバンに入れて買付に来ているという。信用取引(掛売り)はしていないということらしい。やはり現金は強い。
中国人は皆商売人ということが全開のプログでも紹介させていただきました。=> https://naokisu.com/?p=17 「スッキリ中国論」にも説明してあります。
マスク製造・販売で儲かるのは長くは続かないでしょう。安く仕入れて、高く売るのは商売の原則。そこに利益・付加価値が発生します。こういうことは皆考えているので、儲かるとわかれば多くの中国人が参入して利益が無くなるまで価格競争を行い最後には皆共倒れかもしれません。中国の激しく変化する環境に身を置いている中国人だからこそ、こういう商売ができるのだと思う。
経済学の用語では収穫逓減(しゅうかくていげん、英: diminishing returns) の法則で説明ができると思います。要するに多くの業者が参入して規模を拡大していくと利益は逓減します。最近の言葉で言うならば、レッドオーシャンという言葉が近いかもしれません。
日本人である私はこういう環境では戦えません。もし私がマスク背製造・販売に参入したとしても中国の人には太刀打ちできないでしょう。近江商人の歩いた跡にはぺんぺん草も生えないという。しかし、 近江商人の商売哲学の中に「三方よし」 という言葉もあります。
三方よしとは「売り手よし、買い手よし、世間よし」というのがビジネスの基本であるという考え方のことです。
中国に長く住んでいて思うのが、 「三方よし」という考え方が日本に比べて少ないと思います。私が素直に感じたのは中国人の商売は儲かれば、何でもやる。ということです。そこに長期的な視点はあまりないと思う。損して得取れということも無いと思う。それは中国の環境、経済発展の度合い、資本の蓄積などに原因があると思う。