嫁の故郷の村で見た「嫁不足」について

春節休暇中、私は嫁の実家に嫁と一緒に里帰りした。2月3日に村親戚の人達と一緒に晩御飯を食べる機会がありました。村の中で毎日持ち回りで各家庭で晩御飯を食べます。

食卓に登る料理は毎年ほぼ同じ、腊肉(ラーロウ),扣肉(コウロウ)等の肉料理が出てくる。

私も今年50歳となっており、どうもお肉を食べると簡単に消化できず、すぐ太ってしまいます。「のんべえ」さんが多く集まっており自家製の芋焼酎を飲む。中国でも芋焼酎を作っている。(家でさつまいもを栽培してお酒を醸造する。)以前、韶山(毛沢東主席の故郷)に観光に行ったときもレストランで地酒を飲んだら、日本酒とそっくりの味がした経験がある。もしかしたら、中国は広いのでまだまだ自分の知らないお酒があるのかもしれない。 村の人達の話を聞いているとわかったことがある。村の人口は約3000人程度、そのうち200人程度の男性が結婚できずにいるらしいことがわかった。なぜ結婚できないのか聞いてみると、村の女性たちは進学などで、一度村を出てしまうとなかなか戻ってこないらしい。村で結婚するのは外から来た女性が多いということもわかった。

知り合いの中国人友人(男性58歳、国有企業リストラ)に村での嫁不足についてウイーチャットで質問したところ地方の村はほぼ同じ状況であると回答があった。余談ですが、湖南省の友人は女性のことをこのように表現しています。「你老我不嫌,只耍你有钱,你死我不怕,我还可以在嫁。」ようするに日本語で理解するとお金(経済力)があれば、問題無しということでしょう。これは笑い事ではなくて、非常に当たり前のことで、現実を直視していると私は思います。

私が女性であれば、多分同じように考えるでしょう。(多分、、、、)

よく考えて見ると20年前私が中国に来たときは20代前半でほぼ皆さん結婚していたような気がします。その時は嫁不足なんて言葉はありませんでした。

しかし、嫁の村での現実は深刻な嫁不足、そのことは村に住んでいる年配者達も理解しているが、なかなか有効な対策を打てないでいるのが現状。

2月号で労働力不足について述べたのだが、「労働力不足」の真の原因は村での嫁不足、なぜ村にお嫁さんが来ないのか?それは村に魅力がないから?仕事はきついが村のように保守的でない都会(城市)に出てしまいなかなか村に戻ってこないのか?

 よくよく考えてみるとこのフリーペーパーを読んでいる人達は広東省で生活・勤務されている人達がほとんどだと思うが、周りを見渡してみると広東省の地元の人達は非常に少ないのではないでしょうか?会社は沿海部の広東省以外の人達で実質運営されている場合が多いと思います。

 私は日本海側の石川県出身ですが、高度経済成長時に日本海側から太平洋ベルト地帯(中国で言う沿海部)に人口がシフトされている状況と非常に似ていると思います。非常に乱暴な比較かもしれませんが、ほぼあたっていると思います。ただ一つ違うのは日本の場合、女性は沿海部(太平洋ベルト地帯)に行かずに地元に残り父母の近くにいる場合が多いため、日本の地方都市はそれほど嫁不足問題に直面していないと思います。嫁不足にそれほど直面してないのに少子高齢化、人口減少している日本。これらのことを鑑みると将来の中国も必ず人口減少問題に直面すると思うのが普通ですが、これまで幾度となく問題点を克服している中国ですから、これらの問題も省人化、高付加価値産業(高価値行業)にシフトして問題をなんなく解決していくのではないでしょうか。

村付近では工場建設が多い。従業員募集の張り紙があるが、広東省とほぼ変わらない賃金だと思う。これでは広東省にわざわざ苦労して出稼ぎには来ないだろう。
嫁の実家のある村では個人の住宅を建設している。なぜなら、村には個人所有の土地があるから。