香港で民主派15人一斉逮捕。All 15 democrats were arrested in Hong Kong.

香港で民主派15人が逮捕されたニュースを聞いた。

中国国内の百度のインターネットニュースでも報道されている。(香港警察)   https://baijiahao.baidu.com/s?id=1664314121159216961&wfr=spider&for=pc
逮捕された原因:香港の治安を混乱させたから。

 1997年に香港の主権がイギリスから中華人民共和国へ返還。このときから既に香港の主権は中国に移ったのである。これは事実。

 中国の友人にこのニュースをきいたところ、知らないと言っています。また、大陸の中国人の視点で言うと、何を今更ぐだぐだ民主化など言っているのか理解できないらしい。このあたりは香港人、中国人の考え方の相違が現れている。中国大陸からの目線で見ると香港人を別格に扱う事自体がおかしいらしい。同じ中国人じゃないか?なぜコロナウイルス感染が始まったときに最初にイミグレーションを閉ざしてしまったのか?(中国人からすると冷たい行為に映るらしい。)

 中国に居て、日々思うことは本当に不思議な民族であると思う。島国の日本人には到底理解できない複雑な状況が中国国内にはまだまだ存在すると思う。そもそも外国人が中国のことを理解しようとすること自体ナンセンスなのかもと日々思っています。

 難しいことはさておき、既に香港にいけなくなってから、二ヶ月以上が経過しています。前回、香港に行ったのは2月7日。https://naokisu.com/?p=1186 たまには香港に言って中国とは違った空気を吸ってみたいと思うのは私だけではないと思います。

左手に見えるのがホワイトスワンホテル。私はこの景色は広州で一番きれいな景色だと思っています。実はこのホテルは中国の改革開放時にとても関係があるホテルです。この船は1元で乗船でき対岸の黄沙までいくことができる。

 このホワイトスワンホテルと香港中国返還については関係があります。私は香港回収工作 という本を読んで初めて知りました。この本は許家屯という中国共産党大幹部がアメリカに亡命してから書いた回顧録という事になっているが、当時の香港返還についての社会的背景が詳しく書かれている貴重な本だと思います。アマゾンで安く中古が販売されているので、当時の香港情勢に興味があれば、読んで見る価値はあると思います。

https://amzn.to/2VoMB8J ==>許家屯 著「香港回収工作」

許家屯:元新華社香港支社長、亡命先の米ロサンゼルスで死去した。許氏は中国共産党中央委員だった1983年、英国統治下にあった香港に赴任し、中国への返還作業に現地の最高責任者として携わった。89年の天安門事件で民主化運動に理解を示して党指導部と対立し、米国で亡命生活を送っていた。

 この本に記載されているが、当時五つ星ホテルは中国には無くて、香港の資本を導入して広州市の出島(沙面)に当時の中国としては非常に豪華なホテルを建設したのである。このホテルがホワイトスワンホテル(白天鹅酒店)。

私の推測だが、広州市荔湾区に香港のデベロッパーが開発した建物が比較的多いのは香港返還前に許家屯が香港の資本家たちを説得して中国大陸に投資させた結果かもしれない。香港回収工作にはそのあたりのことが記載されています。

 私の理解は当時の香港と中国大陸とではかなり大きなギャップがありとても中国が香港の行政を管理できる状態ではなかった。(経済的、文化的、考え方の違いなどなど、、)主権は中国に移るが香港の行政は50年変化させない。しかし、改革開放後、約30年で中国経済は飛躍的に発展。ようやく中国は香港に干渉できる状態になった。経済的に優越感を誇っていた香港であるが、中国からの影響は無視できなくなってしまった。日本と同じく、香港に有った製造拠点はすべて中国大陸に移動してしまい当時2000年代に比べて大陸に対する優位性がなくなってしまっている。そのことに対して香港人はとてもやるせない気持ちであることは理解できます。

 香港に本社があり、東莞市に工場があるパターンを採用している会社は未だに結構あると思います。特に台湾系、香港系の会社の場合、このパターンを取っている場合が多い。この場合、香港本社で東莞工場をコントロールしようとしている場合、管理がうまく言っていないケースがあると思う。うまく行かない原因は香港オフィスにいて現場現地の工場の状況を理解できないからです。私の視点で見ると香港事務所は貿易業務ならいいが、エンジニアリング・製造関係のことをやろうとすると難しい。貿易業務も香港、大陸どちらで行っても現状では問題ないと思う。

  最後に:香港・大陸(中国)のことに外国人が口を出す資格はないし、とても複雑過ぎて、口は出せません。これは現在の勤務先でも言えることですが、香港オフィス、中国工場の間には今までの歴史によって気づかれた深い溝のようなものがあり、あまり密接に連絡をしているとは言えない。この溝を埋めるのが第三者の私の業務なのかもしれません。近江商人のように三方良しとなれば、ベストです。