以前、経営学の講義の中でホーソン効果について話を聞いたことが有る。ホーソン効果とは?
ホーソーン効果:期待されることで人は動く人間は注目されると、結果を出そうと頑張るものです。 注目を浴びることで、「その期待に応えたい」という心理が働くからです。 この相手の期待に応えたいという気持ちが好結果を生みだす効果のことを「ホーソーン効果」といいます。 Wikipediaより
上記のように説明すると非常に理解が難しいと思うが、簡単に言うと 「人は注目されると頑張る」ということだろう。
1920年代頃、米国ウエスタンエレクトリックのホーソン工場で働く女工さん達に対して、どうやったら、生産数量があがるのか実験をした。
結論から言うと結果は女工さん達は実験中に見られていたので、非常によく頑張ってしまい、生産数量が上がったという話。(非常に大雑把ですが、お許しください。)この話を細かくすると2時間ぐらいかかります。
この実験では作業環境の温度、照度、などを調整して、作業者が一番効率があがる条件は何かを検証しようとした実験である。
作業研究者の期待とはうらはらに、作業条件などよりも、人は他の人から見られている、注目されているという心理的な影響を受けて、頑張ってしまった。
ここから、作業効率を上げるためには条件などよりも人間と人間の関係(人間関係論)の学問が発達していった。
このあたりまで来ると科学的というよりも心理学の分野になってしまいます。
心理学というと私にとってはカオスの分野です。よくわかりません。
下記にホーソン効果・ピグマリオン効果の違いを比較してみました。
ピグマリオン効果の言葉を聞いたのは2018年に
クオリティマインド http://quality-mind.com/?page_id=476
の林さんの講演でお聞きした言葉です。品質コントロールには経営・心理学の考えも必要なのですね。
ホーソン効果 | ピグマリオン効果 | ||
誰から注目される? | 上位の人ではない。 | 教育者などの上位の人 | |
主な場所 | 会社・工場・職場など | 主に教育機関・学校 | |
効果の対象者 | 作業員。仕事をする人 | 学生、生徒。 |
経済学的に言うと、いかにして効果(利益)を最大化させるかにおいてはどちらも同じだと思う。
仕事をする人=>お金がもらえる。
学生 =>お金を払う。
社会人・学生の違いはあるが、お金をもらえるかどうかだと思うが、成果を出さなければならない点においては同じである。
ホーソン効果があるかどうかわからないが、私、自分ひとりでできることがある。それは毎日生産現場を午前2回、午後2回程度、歩いて見て回ることです。
作業者は見てくれる人がだれでもいいわけではないと思う。
私が作業者に好かれているか?
私が作業者に嫌われているか?
このことも効果を出す大きな原因だと思う。
中国人作業者はよく見ています。その人が裏表のある人間か?
職位も大事ですが、その人が嘘つきなのかどうか?
公正・公平な人間なのか?
上ばかり見ていて下をみないのか?
一生懸命にやっている人か?
能力のある人か?
情熱のある人か?
事務所に座ってばかりいて、コーヒーばかり毎日飲んでいる時期もありましたが、それではだめです。
言葉はいりません。自分の足で現場を見て回るのが私の日課です。私も自分の足と目と中国語(乏しい言語能力ですが、、)を使って現実をみて理解することによりわかることがあります。
大阪夏の陣で真田幸村が豊臣秀頼に現場最前線を見て回るように進言したが、最前線に行かなかったために、現場の指揮が下がり戦に負けてしまったのは有名な話です。
中国にかぎらず、どこでも上の人間は現場を見なければならない。私の師匠78歳は私に現場を毎日見て回るように何回も言っています。
中国人的マネジメントは上の人間は現場を見て回らない。自分の部屋にこもって、籠城して、部下に命令して情報を得て、意思決定している場合が多い。(これはあくまでも私の経験上の話。)中国においてどのような管理方法がいいかははっきりと言い切れない。もしかすると中国人的マネジメントがいいのかもしれない。
私が東莞の台湾系の会社に勤務している時、日本の顧客が台湾人工場長(エリック)に言った言葉を今でも覚えている。「日本の工場長は現場を最低一回は見て回る。エリック工場長も最低現場を一回は自分の足を使って見て回ってほしい。」しかし、エリック工場長は客先の助言(要求)をきっぱりと拒否、実行はしなかった。エリック工場長の考えは自分は上の人間なので、現場を見る必要はない。現場管理者の報告を見て判断する。ということである。
中国で大きな災害があると国の指導者は被災地に行って現場を見て、現場の人達の苦労をねぎらう光景がよくテレビで放映されているのを見る。これについてはいろいろな見方があるがそれは読者の皆様の考えに委ねます。
仕事をする環境、それまでの積み重なった歴史、中国人中間層の考え方などどの会社でも十人十色である。なにが一番最適なコントロール方法なのか?
(管理という言葉はお役所のようにお硬い印象を受けるので、コントロールと書いた。)
それは自分のない頭をしぼって一生懸命考えたり、人に聞いたりして暗闇の中を手探りで行動していくしか有りません。