湖南省農村のおじいさんは自分の棺桶を準備していた。An old man in a rural area in Hunan was preparing his coffin.

 7月4日、友人楊さんの祖父(爷爷、父方のおじいさん)の家に行き晩御飯を食べる事になりました。

 おじいさんが住んでいる場所は湖南省株洲市郊外、醴陵にある農村にある。15年前に訪れた時は、電気も無く、アクセスする道路も無く、本当に不便な場所にありました。

 しかし、最近は幹線道路が開通、さらに自分の家の隣に3階建ての家を新築していた。環境は15年前と比べて大変化していた。

右側にいるのが楊さんのお父さん、70才。まだまだ元気です。後ろにいるのが楊さんのお父さんのお姉さんたち。全部で8人兄弟らしい。1940年後半から1950年代に生まれた人たちは兄弟が多いらしい。日中戦争、中国内戦が終わった時なので、比較的世の中が安定していたのかもしれない。実はあとから聞いた話だが、楊さんのお父さんとお姉さんのお母さんは違うらしい。再婚して生まれたのが、楊さんのお父さんらしい。しかし、時々親戚一同が表面上仲良く集まってご飯を食べている。日本の親戚づきあいも1970年頃まではこんな感じだったと思うが、現在では親戚同士で集まってご飯を食べることも無いのではないでしょうか?少なくとも私の実家はこんなに仲良くありません。親戚同士の絆を大事にするのは中国の伝統でありいいところだと思います。
家の外では鶏を買っている。毎日卵を食べることができる。
次は畑に行き見学をする。
楊さんのおじさんは以前広東省珠海の工場で出稼ぎして帰ってきたところ、出稼ぎでためたお金で家を建て、車を買いました。苦労人です。現在は梨瓜を栽培して市場に卸したりして生計を立てている。

 梨瓜とは? いろいろ調べて見ましたが、日本国内で以前売られていたプリンスメロンに似たような果物です。一種のメロンだと思います。500gあたり4元(15*4=60円)で街、道路脇の販売店で売られている。哈密瓜(新疆のメロン)などに比べると安いが、個人的には美味しいと思います。日本のプリンスメロンは子供の時、石川県の砂丘地帯で栽培されているものをよく食べたが、最近では梨瓜と同じ運命をたどっており、あまり市場に出回らなくなっている。ブランド戦略失敗か?

日が暮れるまでおじさんははだしで畑にいて梨瓜、茄子などを収穫していた。今収穫しないと価値がなくなってしまうから忙しい。
畑にある看板は梨瓜泥棒防止のためのもの。                    記載内容:少量の梨瓜に毒を注射してある。梨瓜を盗難したひとは自業自得となる。看板に書いてある内容はかなりエグイ事書いてあると思います。そうまで書かないと泥棒があとをたたないということかもしれない。
晩ごはん時におじさんがとっておきの白酒を出してきて私に振る舞う準備をしていたが、私一人のために高級なお酒はもったいないため、お断りした。とても一人では飲みきれませんし、白酒はあまり好きではない。ご厚意だけいただきます。

一見すると平和な農村の状況だが、親戚同士が集まり話すことはお金やおじいさんが亡くなった後の財産の分配方法、現状の農村の土地を兄弟に分ける時の分配比率など。このことを中国語で分家というらしい。日本でも遺産がある家では遺産相続で骨肉の争いがあるらしいが、中国でも同じなのですね。ちなみに私の実家は財産がないので、そういう心配はしなくてもいい。(^^)

おじいさんが亡くなった時に入ることになる棺桶、後方にあるのはおばあさんの物

中国の農村では亡くなった人を上記写真のような棺桶に入れて、土葬するらしい。自分が死んだ時のことをちゃんと考えているのはすごいです。土葬は現在の中国では表面上は禁止されているらしいが、実際は土葬する習慣が今でも残っている。これは現実です。規則で禁止しても昔からある慣習、習慣はそう簡単にはなくならない。大きく変化している中国もあるが、昔からの習慣を保守的に頑なに保持している中国もまた中国である。中国を一言では形容できないのは日本のように右向け右が簡単にできないからであると思う。

 おじいさんも自分の財産で息子・娘が争うさまを見たくは無いでしょう。棺桶のなかには当分入れそうもないと思う。

下記にこの動画をアップしました。よろしければ御覧ください。https://youtu.be/RVrM8yl53so